皆さんこんにちは!
突然ですが、体を大事にする習慣をお持ちのかたはいらっしゃいますか?
ここでいう大事にすることの意味は、休息をしてリフレッシュすることではありませんよ。
実は、適度な運動を日々の習慣に取り入れることも休息の一つになるんです。
そこで、今回は筋トレがイキイキとした毎日を過ごすために大切な理由をお伝えしますね。
ぜひ、日々の運動を生活習慣に取り入れる参考にしてください。
この記事が皆さんの健康的な暮らしへの一助になれば幸いです。
筋肉の基礎知識
人の体のなかに筋肉はいくつあるのでしょうか?
小さな筋肉も含めるとその数はなんと600以上です!すごい数の筋肉が私たちの体を支えているのが分かりますよね。
そして、それらの膨大な筋肉が私たちの体を作り上げ、生命活動を維持するうえで重要な役割を果たしているのです。
筋肉がなければ動くこともできませんし、そもそも姿勢を維持することもできなくなってしまいます。
それに、強い重力の影響で地球のうえに立つこともできなくなります。
立っている状態で筋肉が突然機能しなくなったとしたら、硬い地面のベッドのうえに突っ伏すようにして倒れこんでしまうでしょうね。
このように日常生活のあらゆる動作に欠かせない存在が筋肉なのです。
ここで筋肉の種類を簡単にご説明しましょう。一口に筋肉といっても3種類に分けることができます。
骨格筋(こっかくきん)
骨格筋は体を動かす役割を担っている筋肉で、‟全体の筋肉の約40%”を占めています。関節をまたぎ骨と骨とを結ぶ筋肉で、伸び縮みすることで体を動かすことができます。
心筋(しんきん)
心臓を動かしている筋肉のことです。
読んで字の如くですね。
平滑筋(へいかつきん)
血管や消化管の内壁にある筋肉です。
血管を動かし血液を運んだり、胃腸を動かしたりして消化のサポートをしています。
筋肉が大事な理由
筋肉は若い世代の男性にとっては、鍛え上げられた肉体美を魅せるという側面が少なからずありませんか?
しかし、自己満足や周囲からの称賛を求めるためだけに鍛えていたとしても、その効果はバイタリティに溢れた毎日を送ることにつながっているんですよ。
そして、周知の事実のように筋肉は使わなければどんどん減っていってしまうのです。
実際にどれくらい減るのでしょうか?
加齢によって筋肉の減少量を調査した研究データがあるので、ご紹介しますね。
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出典元:日本老年医学会雑誌47巻1号
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この研究データによると、全身の筋肉は80歳までに男性の場合は16.8%、女性の場合は11%減少することが分かっていて、足の筋肉にいたっては30%もの筋肉が加齢によって失われてしまうんです。
自分の足で歩けなくなる日がくるかと思うと、なかなか ‟ショッキングな数字”ではないでしょうか?
日本は1994年に高齢社会、2007年には超高齢社会に突入しましたが、医療技術の発達により長く生きられるようになりましたね。
ただ、どんなに長く生命が維持できたとしても、健康を損ねて床に伏した状態で生き続けることを望む人はいないでしょう。
いつまでも健康な体で心豊かな人生を営みたいのなら、体を鍛えるというコストを支払う必要があるのです。
超高齢社会とは、65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占める社会のことをいい、スウェーデン・ドイツ・フランス・イギリス・アメリカ合衆国などの高齢化率が高い国よりも日本の高齢化率は高く、日本は世界に先がけ、超高齢社会に突入しています。
筋肉の役割
筋肉は私たちが生きていくうえで非常に大事な役割を担っています。
筋肉は大きく分けて3つの種類に分かれています。種類ごとの役割を見ていきましょう。
骨格筋|体を動かす・姿勢を維持する役割
骨格筋は骨と骨をつなぎ「体を柔軟に動かす」役割があります。例えば、歩く・走る・座るなどの日常生活で頻繁に行う動作も、骨格筋がスムーズに伸び縮みすることによって成り立っているのです。
関節をまたぐように結びついている骨格筋は、関節を押さえることで姿勢を保ったり、体の柔軟な動きをサポートしたりしています。
地球上のすべての物体は重力の影響を常に受けていますよね。
私たちの体は姿勢を安定させるだけでも多くの筋肉を必要としていて力を出し続けているのです。
心筋 | ポンプとしての役割
心臓から送り出された血液は体の隅々まで酸素と栄養素を届けます。
全身をめぐった血液は最終的には静脈を通り心臓に戻っていくのですが、この一連の血液を循環させる働きが「心筋のポンプ」としての役割です。
この心筋の力強い作用ですが、心臓から離れた場所になるほど送り出された血液の勢いが弱まることは、想像に難くないですよね。
しかし実は、体の末端まで血液を送り届けるうえで活躍する筋肉があるんです!
それが先ほど説明した骨格筋です。
骨格筋が体の動きに合わせて伸びたり縮んだりすることによって静脈に圧力がかかり、血流がよくなり、全身の細胞に酸素や栄養素を届けることができるようになります。
それでも、足は心臓から最も遠い場所に位置しているため、重力の影響で血液が滞りがちになり「むくみ」が発生しやすい場所です。
ここで重要な役割を果たしているのが、「第2の心臓」と呼ばれている‟ふくらはぎの筋肉”です。
この筋肉によって下半身に滞留しがちな血液が心臓に戻され、全身の血液が滞りなく体全体をめぐることができるのです。
平滑筋 |血管や消化管を動かす役割
平滑筋は、血管や消化管などの内壁にあり自分の意思では動かすことができない筋肉です。
この筋肉は「血管や消化管などを動かす」役割があります。
普段は意識することのない平滑筋ですが、この筋肉の功績はとても大きいんですよ。
血液が円滑に流れるのも、食べたものが消化吸収され生きていくエネルギーに変換されるのも、平滑筋がその役割の一端を担ってくれているのですから。
平滑筋は縁の下の力持ちのような存在ですね。
その他の役割
その他の役割として3つご紹介しますね。
外部の衝撃を吸収し、血管や臓器を保護する
衝撃から体を守るのも筋肉の大事な役割です。
筋肉は、内臓や骨が損傷しないように衝撃を吸収し、体内にある血管や臓器も平滑筋や深層筋の働きにより保護しています(深層筋は後ほど説明します)。
熱を発生させる(副産物として代謝アップ!)
人の体は36℃~37℃くらいの体温が保たれるようになっていますが、熱の生産に最も大きく貢献しているのが筋肉です。その割合は体全体の約6割と筋肉の熱の生産力は見過ごせないものがあります。
肌寒い環境下でも、体温を一定に保つことができるのは筋肉の影響がとても大きいのです。
まさに、筋肉という発熱素材の衣服を身にまとっていると言えるのかもしれませんね。
生きていくうえで大切な熱を発生させる筋肉は、常にエネルギー源である糖質と脂質を消費しています。
筋肉が多いと消費するエネルギーが増えます。結果として、代謝アップにつながり生活習慣病などの予防になるんですね。
水分を蓄える
❙ 人の体の約60%は水でできています ❙
この言葉、誰もが一度は聞いたことがある「人体の豆知識」ではないでしょうか。
そして、体のなかで最も大量の水分を保持しているのが筋肉なのです。
女性よりも男性のほうが筋肉量が多い関係で、男性は女性に比べるとより多くの水分を体内に蓄えることができます。
おおよその目安として、体重60㎏の健康な成人男性の場合は、約15㎏~20㎏の水分が筋肉に蓄えられています。
筋肉が少ない人は水を飲んでも体内に留めておくことが難しいので、脱水症状を起こしやすくなるんですね。
例えるならば、筋肉は水を含んだ硬いスポンジのようなものですね。
体を鍛え筋肉をつける目的
体を鍛えることの目的は何でしょうか?
理想的な体を手に入れ、人から羨望の眼差しで見られることでしょうか?
実際のところ、人によっては重要な目的かもしれませんね。
体型を良くしたいという願望に世代は関係ないですしね。
しかし、老若男女に関係なく、身体を鍛え筋肉つけることの効果は皆さんが思っている以上にあるんですよ。
健康的になる
体を鍛えることは健康になるための必須条件でしょう。体を鍛えることで基礎代謝がアップし、ガンやメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防になります。
先ほど、筋肉の種類には3種類あることをご説明しました。
復習も兼ねて改めて解説すると、骨格筋・平滑筋・心筋の3つでしたね。
このなかで、鍛えることのできる筋肉は骨格筋(アウターマッスル=表層筋)ともう1種類存在します。それが、インナーマッスルと呼ばれている深層筋です。
アウターマッスル「表層筋」
目で確認することのできる体の表面近くに存在する筋肉
インナーマッスル「深層筋」
目で確認することのできない体の奥深くに存在する筋肉
表層筋を鍛えることで、年齢に関係なく重いものの持ち運びができますし、深層筋を鍛えることで、どんな動きにも対応できる柔軟な体を維持することができます。
この2種類の筋肉を鍛えることで、老化の進行を遅らせ、健康的な若々しい体をいつまでも保つことができるのです。
それに、筋肉を鍛えることのメリットはそれだけではありませんよ。
加齢による腰痛・膝痛・肩こりなどの予防や改善といった効果も望めますし、日常生活で行う動作に支障をきたすこともグッと減らすことができます。
しかも、この効果は医学関係者の間で、高齢者であっても望むことができると認められているんです。
筋肉を鍛えて得られる健康効果に定年はないのですから、積極的に鍛えていきたいですよね。
美肌効果がある
運動は美しい肌づくりに効果的なんですよ。
その理由のひとつが、運動によって成長ホルモンが分泌されることと関係しています。
成長ホルモンが肌に与える効果
肌のうるおいやハリを保つうえで大事な成分である、"コラーゲン"や"ヒアルロン酸"の生成をサポートすると言われているため、アンチエイジング効果が期待できます。
脂肪や糖質の代謝などを促す役割もあるので、成長ホルモンを増やすことで健康的な髪や美肌になれるだけではなく、体形の引き締め効果も期待できます。
体を鍛えることで若々しい体になり、今より若く見られるようになるかもしれません。
それに、高級化粧水やクリームを使うよりもお財布にも環境にも優しいですし、体を鍛え成長ホルモンの分泌を促すことが最もアンチエイジング効果が期待できる可能性もありますしね。
皆さんも継続的な運動で十分に若返り効果が期待できることを覚えておいてくださいね。
ちなみに、運動後48時間は体が太りづらくなる効果(EPOC効果)がありますから、高カロリーな食べ物の摂取は運動後のほうが良いかもしれませんね。
心に良い影響がある
❙ 健全なる精神は健全なる身体に宿る ❙
今回の記事に相応しい名言ですが、この言葉は完全な誤訳ですって。
興味のあるかたは調べてみてくださいね。
筋肉を鍛えると心に良い影響があるのはなぜでしょうか?
それは、力をつけることで自信が生まれ、新陳代謝が活発になり「活動するエネルギー」に変換されるからです。
体を鍛える・運動をするという行為そのものがポジティブで活発な感情を心に宿します。
心と体はつながっているといいますが、体が良くなれば、自然と心も軽くなり穏やかな気持ちになるのです。
悩みを抱えてスッキリしない気分の場合は、筋トレや運動を積極的に取り入れ、心と体のセルフケアをしていきましょう。
脳が活性化する
運動をすると、全身の血流が強くなりますよね。その影響は当然ながら脳にも良い影響をもたらします。
運動後に脳が活性化する理由は、脳をふくめ全身の血流が普段よりも増えるためで、思考力・集中力・記憶力が急激に高まるからと言われています。
事実、子どもたちに運動の前後で算数のテストを行わせた結果、運動後は計算スピードと正答率が上がり、さらに運動中の心拍数が高かった子どもたちのほうが成績が良くなるという結果がでました。
これは、心拍数が高いほど脳への血流も増すためと考えられますね。
最新の運動と脳の関係を調べた研究データでは、ほんの10分の軽いゆったりした運動でも脳の活性化に効果があることが認められています。
脳の一定分野が刺激されるためだそうですが、脳の活性化のためには長く激しい運動をする必要はなく、運動直後から頭が冴えるというメリットもあります。
運動を日々の習慣に取り入れることによって、研ぎ澄まされた頭脳を手に入れることができるかもしれませんね。
ストレス解消効果がある
スポーツ後に清々しい気分になった経験はありませんか?
日によっては感情の起伏の少ない、さざ波のような穏やかな感情で過ごせた日もあるのではないでしょうか。
運動後のストレス解消効果は運動によって自律神経が調整されることと深く関わっています。
自律神経には2種類あることを前回の記事でお伝えしました。[wp-svg-icons icon="copy" wrap="i"]
その2種類の神経のうち、運動は交感神経を活性化させ前向きでポジティブな感情を作ります。
さらに運動によるストレス解消効果には、次の2つのことが関係しています。
ストレスが解消する2つの理由
① 運動をすることで脳内ではエンドルフィンというモルヒネに似た、鎮痛・鎮静作用のある物質が分泌されます。
この物質は肉体や精神が苦しいと感じるときに分泌され、気分の高揚や幸福感など人の感情を前向きな方向に変化させる働きがあります。
② 適度な運動は脳の情報伝達のバランスを整えるセロトニンを増やします。
セロトニンが増えると、心が落ち着いて穏やかな気分になり、集中力が高まると同時に不安感や緊張感なども改善されます。
この2つをシンプルまとめると、エンドルフィンの効果によって気分が爽快になり、セロトニンの効果によって穏やかな感情が得られ、結果としてストレス解消につながるということですね。
ただし、運動によってエンドルフィンを得ようとすると、負荷の高い運動を一定以上続ける必要があるのが玉に瑕ですね。
健康な体で人生を最期まで楽しみましょう!
今回は億劫になりがちな体を鍛えることに焦点を当てました。
ただ、筋トレという言葉も方法も書いていませんね。
理由は単純明快です。言葉の持つ響きが運動のハードルを上げると考えたためです。
それに、筋トレは得てして敬遠されがちで、仰々しいイメージがあります。
日常生活でも十分に体を鍛えることはできるという事実を知っていただきたいのです。
例えば、階段昇降は、1フロア階段を上がるとスクワット10回と同じ効果があります。
ですから、いつもはエスカレーターやエレベーターを使っていたところを階段にするだけで、下半身の強化に繋げることができるんですね。
その他、日々の何気ない日常動作で筋力を鍛える機会は沢山あります。
負荷の低い運動を継続的に行い、体の健康を自分で守る意識を持ちましょう。
運動の方法や疑問点など一人で解消できない問題は、ぜひ私たち施術者にお尋ねくださいね。
ご来店お待ちしております^^